こんにちは。しゃけ(@kkkmmmzzz1)です。
今回は高村友也さん著の『自作の小屋で暮らそう Bライフの愉しみ』を読んだ感想についてお伝えしたいと思います。
本書はタイトルの通り、著者の高村さんが小屋を建てて暮らす経緯や生活の様子などが書かれています。
電気、ガス、水道などのインフラが無い土地で、最小限のもの、最小限の支出で暮らすスタイルはミニマリストに通ずるものがあります。
本書を手に取ったきっかけですが、学生の頃にソローの『森の生活』という本を読んで小屋暮らしに興味を抱いていました。
最近になって仕事と都会に疲れたため、自然のなかで暮らしたい欲求が再燃したため田舎暮らしなどについて調べていく中でこの本にたどり着きました。
そして本書を読んでいく中で、住居費を大きく削減できる小屋暮らしは経済的自立を得る上でもとても有効だと感じました。
自然の中で暮らすことにあこがれる人や工作が好きな方は読んでわくわくすると思います。
全て真似は難しいけど、足るを知る、自分にとっての必要最低限を見極めて支出最適化する高村さんの生き方は、資本主義のラットレースを抜け出すための一つの方法である可能性を感じます。
それでは著者と本について紹介していきます。
著者:高村友也さんはどんな人?
高村さんのブログのプロフィールより引用します。寝太郎という名前でブログ、Twitter、Youtubeで小屋暮らしの様子を発信されています。
1982年静岡県生まれ。 東京大学理科二類→休学一年間@海外放浪→東京大学文学部哲学科(古典)→慶應義塾大学院哲学科(科学哲学)。 2009年から林の中に小屋を建てて暮らしていました。昔の年表→年表 2016年~2020年頃、あちこちで暮らしており、小屋にはたまに帰る程度 2020年に小屋を建て直し、現在は小屋にいます。 本を書きました。 『存在消滅 ―死の恐怖をめぐる哲学エッセイ』(青土社) 『スモールハウス』 (ちくま文庫) 『自作の小屋で暮らそう: Bライフの愉しみ』(ちくま文庫) 『僕はなぜ小屋で暮らすようになったか 生と死と哲学を巡って』 (同文舘) 『スモールハウス 3坪で手に入れるシンプルで自由な生き方』(同文舘) 『Bライフ―10万円で家を建てて生活する』(秀和システム)
ブログ(2022年12月現在閉鎖中)
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2009年から路上生活や小屋生活を繰り返しているそうです。
このような生活を始めた理由は別の著書『僕はなぜ小屋で暮らすようになったか 生と死と哲学を巡って』にて語られています。
普通の生活に生き辛さを感じた著者が、自分にとっての理想的な生活を追い求めた結果、路上生活を経て自由と孤独のある小屋生活に行き着いたとのこと。
自作の小屋での暮らし

こちらが高村さんの住む小屋の写真です。(2020年に建て替えされた小屋)
こういう森の中での暮らしてにあこがれます。
広さ2畳とのことで、手前に写っている原付と比較するととても小さいことが分かります。
Bライフとは
Bライフとは、安い土地でも買って適当に小屋でも建てて住んじゃおうという、言ってしまえばそれだけのスタイルだ。
「そこ」に帰ってくれば最低限の生活が保証されている、でも最低限だから維持費なんて全然かからない、そんな自分だけの安全地帯を低予算でしかも完全に独力で構築する。
引用元:『自作の小屋で暮らそう: Bライフの愉しみ』
Bライフの「B」には決まった意味があるわけではなく、貧乏、バラック、ビューティフル、ボヘミアン(放浪的)、ベイビッシュ(幼稚)などなどさまざまな「B」があてはまるとのこと。そのなかでも一番しっくりくるのがベーシックだそうです。
必要最低限のベーシックな生活をすることによりお金のための労働から解放されて自由な生活をされています。
海外でもタイニーハウス(小さな家)ムーブメントというものが起きていてます。
モノの所有を減らして必要最低限でシンプルに暮らすことが幸せという考え方です。
外部リンク:YADOKARI【特集コラム】第1回:小さな家でシンプルに無駄なく生きる。|小さな家で豊かに暮らす、タイニーハウスムーブメントを紐解く
また、少ないモノで暮らすミニマリズムにも通ずるものがあります。
小屋を作る
とはいえ、自分で小屋を作るなんて素人には難しいでしょ。。というのが最初の印象でした。
しかし、著者の高村さんも建築に関しての経験はありませんでした。
本屋で立ち読みした「物置小屋の立て方」のような本を参考に手探りでしかもひとりで小屋を建てました。
材料や工具もホームセンターで購入できるものしか使用していません。
「鋸が挽けて金槌が打てれば誰にでもできることしかやっていない」と書かれています。
やってみると意外とできるものなのですね。
自分が住むだけであれば、そんなに高クオリティである必要はないですし、
日曜大工の延長みたいな感じで気軽にやってみたいと感じました。
2×4(ツーバイフォー)工法という、比較的簡単で耐久性を高くできる方法で家を作ったそうです。
建築途中の様子などは著書の中でに写真付きで書かれていますので気になった方は手に取ってみてください。
外部リンク:sumika 2×4(ツーバイフォー)工法って何?デメリットもメリットも家を建てる前に知りたい!
予算合計は11万5000円とのことです。
ただし下記は最初に建てた最低限の材料費で、あとからトイレなどの増築をしたそうです。
- 2×4材:15000円
- 構造用合板:25000円
- 内壁用合板:15000円
- 屋根下地:5000円
- 波板:40000円
- その他小物、窓材など:15000円
これに土地代や家具代等を足すと30万円~100万円あれば自分の小屋が建てられます。
生活の様子
では実際にどのような暮らしをしているのでしょうか。
自作の小屋で満足な暮らしができるのか?という疑問が浮かぶと思います。
水道
もともと雑木林だった土地なので水道はありません。
生活用水は飲み水と風呂を除いて1週間で20リットルなので、ポリタンクで汲みに行くそうです。
高村さんの場合、購入した敷地内に小川があったり、近所に大きな川、や近くの公園の水道があるので水には恵まれています。
水の確保は生活の快適さに大きくかかわるので土地選びの際は重要なポイントですね。
川などが近くに無い場合は、水道をひくこともできますがコストがかかるので、安い古民家などを購入することを推奨されています。
排水の処理方法は2つです。
きれいな水は畑に撒く(米のとぎ汁や皿を洗った水)
畑に撒けない水は蒸発させる(ラーメンのスープやコーヒー)
ガス
カセットガスとカセットコンロを使用。大抵の食事はこれ一つで作れるとのこと。
また、灯油ストーブで炊飯したり、薪ストーブを調理に使用したりもしているそうです。
電気
最初は電線を引くことも考えたそうですが、10万円程度の初期費用がかかることや無尽蔵の電気の必要性を検討した結果、300Wの小型太陽光発電システムを自作しました。
ノートパソコン、電気、扇風機くらいならつかえるそうです。
トイレ
衣装ケースを利用したコンポストトイレを自作。
使用後は米ぬかをかけることにより嫌な臭いがしないらしいです。
いくらでFIREできるか
著者の収支
月々の支出が約2万円と書かれていました。
家賃がかからないとは言え、かなり少ないですね。
内訳は下記の通りです。
- 食費 10000円
- ガソリン 200円(原付100km分)
- カセットガス 500円(1週間1本)
- 灯油 0円~1500円
- 電気、上下水道 0円
- 携帯電話 1000円~(通話料次第)
- インターネット 5000円
- 銭湯 230円×4.5回=1000円
- 雑費、消耗品 1000円
- 年金 0円(全額免除)
- 健康保険 1500円(7割免除)
- 所得税、市民税 0円
- 固定資産税 0円(免税点以下)
いくらでFIREできるか
結論から言うと、月2万円の支出だと600万円あればFIRE可能です。
600万円×4%=24万円の収入が得られます。
普通のサラリーマンでも必死に節約すれば2~3年で可能な金額です。
最近、Twitterなどでも1000万円未満の少額でのFIREされている方をよく見かけます。
このような徹底した支出の削減を行うとより早くFIREすることが可能ですね。
さらに生活費が少ないことのメリットは、足りなくなっても不足分を稼ぐのが容易であることです。
株価低迷や減配などで月2万円の収入が得られなければ、2万円分働けば良いのです。(当たり前ですが)
2万円なら、割のいいバイトで1~2日あれば稼げる金額です。
大きな支出である住居費を限りなくゼロに近づけることは、経済的自由の獲得に効果が大きいことが分かりますね。
終わりに
本当に自分に必要なものだけで生活するBライフは、経済的自立や自由を手に入れるための近道になるかもしれないですね。
ここまで極端な生活をできる人は限られていると思います。
しかしすべて真似はできなくとも、本書を読むことで自分にとって最低限必要なものを改めて考えるきっかけとなりました。
最後までお読みいただきありがとうございました!
以下、小屋暮らしの関連本です。
小屋の立て方の実例集です。
海外で小屋暮らしをしている人の体験談や小屋暮らしに至る経緯が書かれた本です。
世界の小屋の素敵な写真と物語が書かれている本です。写真を見るだけでもワクワクします。
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